一般の方にとって解体工事の経験は初めてで、どの業者に見積もり依頼していいのか、よく分からない?と思われる方がほとんどだと思います。
一般の方にとって解体工事の経験は初めてで、どの業者に見積もり依頼していいのか、よく分からない?と思われる方がほとんどだと思います。
安心できる業者の選び方は、大きく分けると3つです。
解体業者には怖いイメージがありますが、本当に怖いのは、「不法投棄」です。未だにニュース番組でも度々見かけますが、罰せられるのは業者はもちろんですが、依頼したお客様も処罰の対象になってしまいます。
※1,000万円以下の罰金刑または5年以下の懲役刑が課され、未遂であっても処罰される恐れがあります。(産業廃棄物に係る法人の場合は3億円以下の罰金)最近の事例はこちら
また、工事の途中で逃げてしまう、地中障害物の撤去が不十分で新築工事に影響がでる、工事中の近隣トラブルに全く対応してくれない。など見積もりが安かったからと安易に契約してしまうと、結局は高くついてしまう事もあるので、まずは安心できる業者選びが絶対条件です。それぞれの選択肢のメリット・デメリットと、過去の実例を交えてご説明いたします。
<避けた方がいい解体業者を一目で見分ける方法>を最後に載せてありますので参考にして下さい。
※横浜市の方は、<横浜市で良い解体業者を見つける方法>も参考にして下さい。
解体業者を紹介する会社が数社あります。見積り依頼の連絡をすると、解体現場から近い登録業者を紹介してくれて、見積りの対応(現地でのアポ取りや、お断りの連絡)までしてくれるので安心です。
解体業者は各種許可証を提出して登録するので、安心できる業者の可能性が高いです。
各社、おおよその紹介料は、8~10%です。
例えば、積算したら150万円の場合、150万円×10%=15万円が紹介料になり、最終見積価格は165万円になります。
どこに頼んでいいのか分からない時は、まずは紹介会社に連絡するのが無難です。
加入の際には解体業に関わる全ての種類提出は勿論ですが、お客様に対して誠実に対応するように細かい取り決め事の「誓約書」があり、一定の条件を満たさないと加入できない仕組みになっています。
デメリットとしては、基本的に、工事中、後のトラブルに対しての責任は負ってくれません。
例えば、解体中にお隣の家から「外壁にヒビが入ったから補修してくれ。」とクレームがあり、解体業者に連絡すると「これは、工事前から入ってるよ。」と言われ、その後音信不通に。困って紹介してくれた会社に連絡をしても、<代わりの業者手配、補修に伴う全ての費用>を保証してくれる可能性は低いです。
※クラックで揉める事例は年に2、3件あります。お隣の家の築年数が相当経っている場合、解体前からモルタルの外壁にクラックが入っている場合があります。もちろん、解体中にクラックが入るケースもあり一概には判断できないので、事前調査の段階で写真を撮っておくことがトラブル防止になります。RC造、重量鉄骨造を解体する際は、「家屋調査士」を入れて、隣接する家屋の住人のお立会いの元、報告書(解体前と解体後)を作成する場合もあります。
不動産会社
弊社にも不動産会社からの見積もり依頼は多いです。正確な解体費用を把握して資金計画書を作成をするためです。
不動産のプロでさえ、解体費用に関して間違える場合があります。概算と正確な見積もり金額が大きく違うと、販売のシュミレーションが変わってくるので、検討されている土地があると必ずお声が掛かります。
新築戸建を計画している場合、解体後すぐに地盤調査を入れます。スウェーデン式サウンディング試験という調査方法でロッドと呼ばれる鉄の棒を地盤に突き刺し、その沈み方で土地の固さを調べる方法ですが、地中のガラを撤去していないとロッドがガラに当たり正確な判定がでません。
不正確な判定結果だと、本来ならば必要のない地盤補強工事が発生します。また、明らかにガラ(地中障害物)が埋まっていると分かれば、解体業者を再度手配しなければならないので余計な出費がでる上に、その後の予定が全てずれていきます。
また、解体工事中にご近所のクレームが多いと、その後の新築工事にも悪影響がでますので、トラブルが多い解体業者には今後、工事どころか見積り依頼がきません。
不動産会社はトータル的(価格、施工、近隣対応)に判断して、平均点以上の解体業者しか使わないので、安心な解体業者を紹介してくれる可能性が高いです。
ハウスメーカー
どこのハウスメーカーでも解体業者の登録には、かなり細かい条件があるので安心感では一番といっても過言ではないです。
家を契約すると、そのままハウスメーカー専属の解体業者に依頼することが、9割以上だと思います。
デメリットとしては、約30%の管理料がお見積りに上乗せされています。
仮に解体費用が160万円だとしたら、約50万円が上乗せになり、最終金額は210万円になります。
この管理料で照明・カーテン代をまかなえてしまうかもしれません。
実際にあった事例として、誰もが知っている大手ハウスメーカーでご契約されたお客様が、「見積もりだけでもいいですか?」と、ご連絡を頂き、見積書を提出すると、「えっ、こんなに安いの!」と驚かれたことがあります(60万円の差額でした)。あまりに安く、かえって疑われたので、見積もりの仕組みをご説明さしあげたら、ご納得されて弊社で解体させて頂いた事例もございます。
ただ、解体業者の不法投棄は後を絶ちません。
不法投棄が発覚した場合、発注者つまりお客様の責任が問われますので、信頼できる解体業者を知らなければハウスメーカーに
依頼するのが無難です。
ネット検索すると解体業者が何社もでてきて迷われると思います。チェックして頂きたいのが
以上3点を明記してるか確認して下さい。
※神奈川県の解体工事業登録は、こちらでも確認できます。
以上3点について、詳しくご説明します。
1の「解体工事業」は、請負金額500万円未満の解体工事(ほとんどの戸建解体)を請負う際に必要で、解体業者はこれに登録しています。※請負金額が500万円以上の解体工事は「建設業」の許可が必要です。
2の「収集運搬許可証」は、解体業者が建設会社、不動産会社の下請けとして工事する際に必要になりますので、ほぼ全ての解体業者が持っています。また、収集運搬の許可には
●安定した経営状態
●反社会的勢力では無い
●不法投棄が発覚すると剥奪になる
などの審査基準があるので、判断材料の一つになるかと思います。
※最近、収集運搬許可書の偽造事件(詳しくはこちら)がありました。今後、このような事例が増えていくかもしれませんので要注意です。
3の「損害保険会社」ですが、解体工事では様々なトラブルがあり、例えば隣家の外壁を壊してしまった場合、数百万円の補修費が発生するケースがあります。その時に損害保険会社に加入していないと実費払いができずに、最悪そのまま逃げ出してしまうことがあります。なので「損害保険会社」へ加入している業者選びは必須です。
また、工事完了後に「マニュフェスト伝票」の写真、コピーを送付するように、伝えて下さい。
建設会社、大手解体会社も検討材料の一つに入ると思います。そこの社員が監督をしますので、工事前の説明や、トラブルがあった際の対応は速やかです。下請け業者には、およそ15%~20%のマージンで流しています。
デメリットは、下請け業者によって作業の質が大きく変わるので、業者の当たり外れがあります。
例えば外国人下請けの場合、全く日本語が通じない時があります。そうすると残す予定の塀を壊してしまったり、樹木を伐採したりと、監督の指示が伝わってないケースがあります。また日本人の下請けでも、大きな声で「テメー何やってんだ」「早くやれよー」など、四六時中罵詈雑言が飛び交い、近所からクレームを受ける時もあります。
※良い下請け業者、自社班は、各監督のお抱えになっていて(現場の親方まで指定されてるケースも)、1~2ケ月後先までスケジュールを組まれています。なので単発のお客様には、今まで使ったことのない、よく分からない下請けに工事をさせるケースもあります。(業者の仕事内容を、これで判断しますので、いわば”たたき台”に使われることも)
また、大幅値引きで受注した案件、繁忙期(12月、3月など)の工事もこれに当てはまる可能性が高いです。
一口に解体といっても、価格、施工内容は様々です。弊社も過去に下請けを使ったことがありますが、各業者、各親方によって現場は全く変わり、苦労したこともありましたので今は完全自社施工です。一般のお客様は、見積り依頼する会社を選ぶこと自体が一苦労だと思います。
以前、下請けを使った際に解体業の私達でさえも騙そうとしてくる悪徳業者もいました。「地中障害物が出てきた」と報告を受けて、写真を送るように指示すると、「携帯のカメラの調子が悪くて後日おくります」と、後日届いた写真を見ると、この現場で出てきたか分からないような写真(周りの風景が写ってない)で、判別不能。ダンプに積み込んだ写真をよくみると地中障害のガラではなく、基礎を砕いたもの(配筋が出てました)を載せている写真を平気で送ってきたりと、悪知恵をつかって追加費用を上乗せしてきます。
また上記とは逆に、地中障害物の撤去が全くされてなく、不動産会社が困って連絡してきた、ケースもあります。掘り起こしてみたら、ダンプ2台分の大量のガラがでてきました。近所の方に「ここを解体していた業者はどんな感じでしたか?」と聞いたら、「もう、大変だったのよ~ここら辺一体、停電になっちゃって。」と、どうやら解体作業中に電線を切断したらしく、しかも日本語が全然通じないで、復旧作業に遅れが生じたみたいです。
ここまで読むと、そんな悪徳業者と契約したらどうしよう。。。と、不安になりますよね。
そこで一般の方でもできる、避けた方が良い業者の簡単な見分け方を、お教えします。
それは、【ヘルメットを被っていない】です。
こういう業者(「解体業者を紹介する会社」に登録している会社もありました)は、問題がある所が多かったです。
なので、見積り時に今動いている現場を教えてもらい、できれば実際に見て確かめることができれば一番いいと思います。
ただ、ヘルメットを被ってない業者が全てダメでは無く、逆に丁寧で速い業者もいます。
解体現場でヘルメットを被ってないことを注意すると「夏は暑いから」「今日は忘れて」など言い訳をしてきます。私が現場に行くと慌ててヘルメットを被ったり、ひどい時はパーカーのフードを被った作業員や、親方がハンチング帽を被って重機のオペをしていたケースもあります。
裏を返せば、真夏でもヘルメットをしっかり被っている業者は、それだけで信頼がおけます。
弊社でも、ヘルメットの着用は厳しく言っています。抜き打ちで現場の見回りをした際に、ヘルメットを被ってない作業員はその場で帰らせます。これが2回、3回と続けば辞めてもらうように徹底しています。
また、極端に安い見積り金額の業者も要注意です。例えば相見積もりで130万円前後が多い中、100万円以下は危ないです。
地中障害物の撤去費用に法外な追加費用を請求してきたり、処分費を浮かせるために不法投棄をする可能性があります。
また、コストを抑えるためにスピード重視で(人件費、重機稼働費など、1日に約10万円の経費)作業するため、整地や清掃、細かい所が雑になりがちで、近隣とのトラブルも対処しないまま工事を終わらせて、そのまま引き上げてしまう業者もいます。
見積りは、どこの業者も無料なので、最低3社、できれば可能な限り多くお見積りをとられたほうが良いと思います。
現場を見る時間は20~30分と、そんなにはかかりませんので、5、6社は大丈夫かと思います。
その間に来ている業者の雰囲気を見たり、見積り内容や工事の懸念事項を確認して、後悔しない業者選びをして下さい。